2019.06.27

■風景の継承はアイデンティティーを強くしないのかどうか-2

>前回の続き

風景の継承はアイデンティティーを強くする(断言)

それを逆説的に証明するため、
この際、私の生い立ちをご紹介してしまおうという企画。

まず私の容姿、ハーフですかと良く聞かれます。どう考えてもどこかで西洋系が混ざっているとしか考えられない(※)。でも正真正銘の日本人。自分はどこから来たのか、私自身それは永遠のテーマ。もはやその追跡は趣味となっています。バテレン系だねと言う方も居れば、中国にそういう人種がいるよという方もおられた(びっくり本当?)。ジェイソン・ステイサムに似ていると最近よく言われるのですが、気をよくして自分から言うと「盛りすぎじゃないか」と言われる始末。

親戚は皆九州。両親は 佐賀から始まり → 福岡・北九州 → 千葉 へと移動。八幡製鉄所が東京湾に進出し新日本製鐵となる際に関東に来た系列。従いまして、私の血は完全に九州男児で間違いない。ですが、本当の九州男児と実際に接してみると、自分はそれ程の気風は持っていないかもしれない。血は九州でも標準語によって標準化された「関東男児」 。こういったものは「血」と言うより「環境」によって形成されるものだということが私自身によって証明されているのかなあと。

標準語によって標準化された「関東男児」は方言を持たない。なので、方言にとても魅力を感じる。親類から聞いたことが有るので少々しゃべれるがネイティブではない。マネしている感覚をぬぐえない。

私における「三つ子の魂百までも」の風景は “団地”。3才まで団地でその後は住宅街。ということもあり、団地の豊かな緑のオープンスペースが今でも非常に懐かしい。調査などで団地に行くこともあるのですが、「お、これこれ、この感じだよ〜」と写真を撮るくらいである。しかしながら、私が過ごしたその団地は今は無く、宅地化されて戸建て住宅が広がっているということである。昔目にした風景をもう一度見ることはできない。まあ、見れたからといってそれほど変わるものでも無いかもしれないのだけど、もう一度見てみたいという気持ちはやはりずっと持ち続けている。

団地が「美しい風景」の部類に入るかと言えば、そういう類いの物ではないと思うのですが、団地が「生まれ故郷の風景」になっていることは確かなことなのです。そういうものでさえ、何かしらの形で存在し続けてくれたら嬉しいとさえ思う。また、そういった風景が、もし伝統的集落や富士山の麓の農家だったとしたら、それはもう「三つ子の魂」は今とは全然違うのかもしれない想像してしまうわけです。実際そういうわけで、私は第二の故郷と言えるような視覚的に美しい風景をいつも探している傾向が有るのです。それが建築を含めた美しい風景を設計したいというモチュベーションにつながっていて、今の私があるのかもしれないのですが。視覚情報が私にとっては結構大事なのですよね。

私の生い立ちはそんなところです。

時代の変化等によって風景も変わる。それはいいとして、変わるところと、変わらないところを分ければより良いのではないかと思いますよね。変わらないところも必要。また、もし変わってしまったとしても、変わった後の風景が美しければ、そこは誇りに思える風景になる。心の軸になる。美しい風景が増えれば誇りがモリモリ持てる。誇りを持っている人は自信にあふれる。自信を持っている人は強くぶれない。そういう人々の住む地域や国は強い。これはもう、疑問を挟む余地が無い。

そう言う私には、アイデンティティーに対する確たるものは無い。
いつも探しつつ、確認している。だから確たるものが有れば良いと願う。
それは誇りを持てる、美しい風景だと思っているのです。(完)



※注:日本人はたいてい何かが混ざっている人種と考えられます。貴方も勿論。

 

 

 

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2019.06.20

■ 風景の継承はアイデンティティーを強くしないのかどうか

昨日、GSデザイン会議の総会+車座会に参加してきました。


災害復興に際して、景観(風景)に何ができるのか
ということについて議論が行われた際、
恩師内藤廣氏の疑問
「風景は、国や地域を強くしないのか、安定に寄与しないのか・・・(意訳)」
というような内容だったと思いますが、その呟きに共感する部分があり、
私もかねてより思っていることを再度思い起こした次第です。

一つ私の小さな経験談なのですが、
私がヨーロッパの一人建築視察(超貧乏旅行)に行った際、いろいろな旅行者(若者)と話した時のお話までさかのぼります。

ヨーロッパの美しい都市や建築にいくら憧れるところが有っても、やはり、世界の中で日本人が勝負するとしたら、日本人であることを軸に据えることしかあり得ないと言うか、それが自然と言うか、むしろそのことによって差別化できる、アイデンティティを主張することができる、ということに思い至るわけなのです。対等に語り合うためには、まず、しっかりと日本のこと、歴史・文化などについて知り、意見を持ち、しっかり「日本人」であることが求められる。と言うか、そうした方が良いのではないか、と感じたのです。だから、他国の美しい風景に憧れている場合じゃない、日本を誇りの持てる美しい場所にしなければ! と私自身思ったわけなのです。日本に帰って、日本の文化・歴史・芸術をもっと知りたい、知らなければと、逆にそう思って帰ってくるはめになるのです。向こうの人は結構日本に興味がある。その日本について、街並みや風景についても、自信を持って、誇りを持って話せたら、それはそれで価値のあることだと思うのですよね。他国と陸続きの大陸では、自らのアイデンティティについて自然と考えざるを得ない環境なのだと考えます。日本全体、世界全体が陸続きのようなグローバルな状況では「アイデンティティ」をより強く持っていることが、必要というか、持っていて損はないというか、持っていたいと思うわけなのです。

折に触れて自らの「アイデンティティ」を確認することは、
強い個人をつくるために、不可欠なのではないかと思います。
それは地域においても同じ事なのではないかと。

その、しっかりした、ぶれない個人の「アイデンティティ」の形成の過程において、
個人の中に刻まれた「風景」が、結構大きく関わっているのではないかと感じているのですが、皆さんにはそんな経験は無いものでしょうか。
風景を大事にする理由として、その1つだけでも、十分説得力を持ちうるのではないかと思っているのです。


※ という私のアイデンティティは、時にブレブレです(^^)。だからこそ、そう思うわけなのですよね。



>次回に続く。

 

 

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2019.06.12

■ 古レール架構の駅

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京王線連続立体交差事業の
代田橋駅舎デザインの提案に絡めて、

古レールを用いた駅舎の中でも
個人的に気になっている、曲線を取り入れた架構について
視察した際の写真をご紹介。

構造体といえども、
人の手でデザインされたことがハッキリ見て取れる曲線は
やはり、美しいし、見ていて気持ちが良いし、
その風景、そこにいる人々の風景が
絵になると思います。

駅や空港のデザインは、
旅を盛り上げ、旅を豊かに印象づけてくれます。

仕事の忙しい毎日の通勤にも、
日本を訪れる旅人にも、
そんな目を楽しませてくれる豊かさがもっと有っていい。

人の手による構造デザインを、
毎日の風景にできたらいいですよね。

 

● 中央総武線 浅草橋駅

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● 中央総武線 水道橋駅

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● 中央総武線 代々木駅

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● 山手線 田端駅

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● 山手線 日暮里駅

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● 山手線 上野駅

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<< 関連記事 >>

■ 駅舎デザインの提案 - 1 (既存状況)

■ 駅舎デザインの提案 - 2 (提案)

■ 駅舎デザインの提案 - 3 (意見)

■ 古レール架構の駅

 

 

 

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2019.06.06

■ 赤の家 竣工写真をUPしました

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赤の家 竣工写真を ホームページにUPしました!

下記アドレスよりご覧下さい。

http://www.otsubo-archi.com/works/ph_house.html

現在、外構の植栽工事が、造園会社により進められています。完成が楽しみ!



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五月の休みに、清里の清泉寮に立ち寄ったのですが、

ほぼ同じ色ですね〜。やっぱりいいなあと思いました。

自然の中で緑と渋目の赤はとてもマッチします。

それを再確認した次第。

※ 緑と赤紫がマッチするのを “補色” の関係といいます。

 

 

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2019.05.21

■ 樽椅子のスケッチ

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先日、こちらに暖炉のスケッチをアップしましたが、
あの濃いスケッチを描いたことで、ある記憶が思い起こされ、
関連する樽椅子のスケッチをご紹介することにしました。

観光地化された観光地ではリフレッシュできない私たちが
山間に移築された、山小屋風の劇場建築を毎年利用させて頂けるのも、
ヨーロッパ建築視察で 彫刻家 村澤明生氏と出会わなければ
有りえませんでした。その出会いに感謝。

ヨーロッパ視察後しばらく共に過ごさせていただいた間に
村澤明生氏の作品をスケッチしたものが、
この、樽材と黒皮の鉄を組み合わせた椅子です。

ずっこける可能性のある椅子(村澤氏談)なのですが、
オブジェとしてのバランス・古びた樽板の質感が絶妙で、
その雰囲気出るように描いたボールペンスケッチです。

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座椅子

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小テーブル・長椅子




 

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«■ 薪ストーブのスケッチ