カテゴリー「■x3. ヨーロッパ建築考 - イタリア」の5件の記事

2011.06.05

■ カステルヴェッキオ美術館

Castle_vecchio_02_2

近頃、改修・更新という分野に、積極的に関わっている。
社会的にも、真面目に付き合って行くべき課題だからである。

そこで、個人的に
「既存改修の傑作」と思っている建築をご紹介。

イタリア ヴェローナにある
カルロ・スカルパにより古城を改修した美術館

カステルヴェッキオ美術館

古い物・古い文化を残しつつ
新しい空間に仕立て上げられている。

既存の残し方
既存と新規の合わせ方

曲線の開口部に
直線で構成される扉をはめ込んでみたり、
しかも、はみ出ていたり、小さかったり。
その絶妙なバランス感覚と発想に刺激を受ける。

中世から続くヨーロッパの建築様式に、
「和」的要素を融合させた、
完成度の高いデザインとして
頭に刻み込まれている。

既存として残したくなるような
質の高い建物を増やしていきたい。

我々の文化とは何なのか、
今一度考える切っ掛けを与えてくれる。

フォトアルバムはこちらです

Castle_vecchio_01_2




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2009.10.07

■ シエナの路地

Siena1600_2  Siena2600_2

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肌寒い季節になると、
毎年思い出す町シエナ。
半袖にパーカーを引っ掛けて、
小雨が降る町を1日中ウロウロしたものでした。

9月下旬から10月初旬という季節は、
格安空港券で1ヶ月ほどの旅に出ると、旅の終わりにはこの季節となります。
秋になると思い出すヨーロッパ。
オシャレなようで・・・
なんのことはない、
オフシーズンに貧乏旅行をしたものだけが持つ記憶かもしれません。
しかし、逆にそれが印象深いのです。

秋の肌寒さ = 旅の終わり季節 = 旅の記憶

さて、前置きが長くなりましたが、
雨が止んですぐの湿っぽい路地。
なんだか、記憶に残る寂しさです。

秋の雨上がりの路地を、いつかまた、さまよいたいものです。


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2008.04.23

■ アートな壁

Foro_romano01re

Foro_romano02re_2

杉花粉も完全に止み、
外に出たときの開放感はひとしお。
新しい季節を感じます。

そこで、ヨーロッパの写真の中から、
春っぽい写真を一つセレクト。

ローマにある遺跡フォロ・ロマーノの片隅の建物の壁。
色鮮やかな色彩が、春の空気のようです。




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2007.02.24

■ アッシジでの出来事1

Assisi01re_1

旅行者は私にこう言いました、
「自分より大きなものの存在を信じていないと危険よ」と、
ピンチの時にも、信じられるものは特に無い。
有るとしても、自分だけの私にとって、
それはカルチャーショックでした。

話は飛んで、2度目のヨーロッパ建築旅行の最後に訪れた場所、イタリアの田舎町アッシジでのお話です。
アッシジのユースホステルは、とてもアットホームな雰囲気で、いろいろと話ができるとガイドブックに書いてあったのですが、その通りで、いろいろと話す機会が持てたので、ヨーロッパを旅する間ずっと感じていたことを聞いてみました。

ヨーロッパで感じた豊かさ、良い意味でのマイペース、建築の空間の違いは、信仰に影響されている部分が大きいのではないかと。
私はこう尋ねてみました。
「私(達日本人?)は、信仰心というのはそれほど強くないですよ。一応宗派は有りますが、私は特に信仰したことはありません。基本的には、自分を信じて突き進むしかないんです。神社や寺にはお参りに行きますが、困った時の神頼みみたいなもので、信仰とまでは言えないですね」
それに対する答えは、だいたい次のような内容でした。
「ここヨーロッパでも、現代では皆が皆、毎週末教会に行っているわけでは無いけれど、自分より大きなものの存在を信じている。」

特に信じるものを持たないことを「危険」とまで表現したことには正直驚きました。
しかし、長い間疑問に思えていたことが解けたような気がしました。
自己啓発本等では、しばしばこう書いてあります「ポイントは、自分を信じて突き進むこと」と。
自分に自信が無くなった時に、自分を信じることなんて難しいですよね。
そんなことができたら本なんて読みません。自分を信じられなくなったからこそ迷いに迷う訳で。。。

→2へ続く



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■ アッシジでの出来事2

Assisi02re_1

→1の続き

「自分より大きなものの存在」を信じることができたら、
迷うこと無く、自分の思った方向に行けるのだろうと、その時私なりに納得したものでした。
迷ったら、まず自分の思った道へ突き進み、後は天が見守ってくれると考えれば、
岐路に立たされたときでも、自問自答の泥沼へ陥ることもない。
それならば精神的にも「安全」ですし、建設的です。

ヨーロッパの建築には、それを求める気持ちが、表現されているように感じます。
曖昧な物の中にそこはかとない美しさを求める日本に比べると、
合理的で力強い物の考え方の表れなのでしょう。

その建築を見ることで、その力の大きさを認識するということも有るかもしれません。
これだけの圧倒的建築物が、人々の力によって立ち上がっている事実を想像したとき、
この建築が建っている事自体に、意味があるのかもしれないと思うこともある。
これらの建築物の建設に関わった人々の、想像も出来ないようなエネルギーが、建物自体に蓄積されているわけですから。
その存在を信じる。そんな気持ちも沸いてくると言うものです。

少し話が重くなりましたが、そんな事も考えたものです。
今も私は、信仰は特にありませんが、それ以降、自分の上にあるかもしれない大きな力というものを信じてみるようには努力していますが、
しかし、なかなか難しいものです。
やはり、ベースにそいった物の考え方が無いのでしょうかね。(笑)


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