■ 時を経た建築に住む <その3>
非常に古いが、味があって魅力的な建物の改築が、なかなか難しい理由はには、以下のようなものがあります。
●1. 昭和56年の新耐震設計法の施工以前の建物の場合
これは、耐震基準が今ほど厳しくない時に建てられた建物のことで、これ以前の建物を増築・主要構造部の過半の改装・用途転換をしようとすると、構造補強が広範囲に必要になってきます。
用途を変更せず、増築をしなければ問題なく改装できますが、魅力的な古い建物ほど、別の用途に転用したくなるものではないでしょうか?
●2. 完了検査済証が残っていない可能性も
該当する場合は、まず、改装する前の建物が基準法に則ってできあがっているかを調べる必要が有ります。そのため、調査費用が別途かかってきてしまいます。調査内容は、鉄筋の数や接合部。基礎も調べます。また、劣化も調査し、その度合いによっては、劣化に対する補強も必要になります。それでも新築に比べると経済的ですが、それなりのお金を投資して、それに見合う魅力のある建物になるかどうか検討してみる必要があります。
●3. 設備がネック
建築物の耐用年数は設備の耐用年数で決まってしまう場合も多いので、設備が使えない状態から復旧するのは資金的にネックになって来ると思います。設備を復旧したとして、今度は建築がどの程度持つのかとなると、難しいところかもしれません。
「廃墟的建物に住む」ことは、現実的には選択肢としては、残らない場合が多いのではないかと思います。「廃墟は美しい・・」とは言っても、建て替えたほうが良いのかもしれません。新築でも、構造体むき出しの状態でしたら、同じような雰囲気を醸し出したりしますが。
廃墟的な建物に住むことは、実現の難しい「夢」に近いものなのかもしれません。
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Kazuro Otsubo Architects 大坪和朗建築設計事務所
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