■ 半地下ガレージの構造
今週の現場。
地下車庫床スラブ配筋検査。
ニョキニョキと立ち上がるのは柱の配筋です。
2台並列のガレージのため、
スパンを飛ばせる軸組構造を採用しました。
軸組構造とは?
構造形式としてメジャーな
「軸組構造」と、「壁式構造」の違いまとめてみました。
■軸組構造:
●構造的特徴:
柱と梁で構成され、壁は補助的な役割を担う程度。
そのため、間口が広く取ることが可能です。プランも融通が利きます。
構造的にも経済的も優れています。
●設備の注意点:
柱型・梁型が出るため、設備は配管はそこを避けてレイアウトする必要があるため、
少しばかりデッドスペースが発生します。
そのため、デッドスペースを出来るだけ少なくするため、配管を綺麗にまとめるために、結構頭を使います。
空間の納まりについても同様のことが言えます。
●デザイン的特徴:
端部に太い「柱型」が出るため、見た目も頑丈そうに見えます。
そのため、シャープに見せるためには、いろいろと工夫を凝らします。
プランの自由度が高いということは、
ボリュームの操作(空間デザインの操作)がしやすいと言うことでもあります。
●将来性:
壁は構造としては補助的な役割なので、
将来的な増改築には、対応しやすい構造です。
■壁式構造:
●構造的特徴:
柱が無く、厚めの壁で構成されています。
柱型を意識しないで良いため、自由なプランが可能です。
一方、スパンが飛ばしずらいため、その意味では自由度は制限されます。
そのため、比較的小さめの建物に向いています。
壁が小割に必要となり、全体が厚い壁で覆われるため、
鉄筋・コンクリートが比較的多く必要です。
●設備的特徴:
柱型が不要なため、配管がしやすく、デッドスペースが少ない。
空間の納まりについても同様のことが当てはまり、スッキリとした空間に仕上がります。
●デザイン的特徴:
柱型が不要なため、シャープな見せ方が比較的容易にできます。
柱型が出ないため、構造体をそのままの形でデザインに利用することが出ます。
そのため、「構造体をデザインすること」が、そのまま、「空間をデザインすること」に直結しています。
構造体を見せるデザインや、壁が、建物の内部と外部で面一に繋がって延びているような空間構成を得意とします。
●将来性:
ほとんど全ての壁が構造的に役割を持つため、
将来的に、壁を壊したり、穴を抜いたりすることは、基本的に出来ません。
内部の間取りをガラッと変えるような、改装改築には、対応しにくい構造です。
そのため、壁の配置には、将来的な対応も頭に入れてレイアウトできれば理想です。
以上のような違いを頭に入れて、
建物の規模・プランニング・デザインも考慮しながら、
構造を決定していきます。
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Kazuro Otsubo Architects 大坪和朗建築設計事務所
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