■ 「茶の間」的発想のすすめ
敷地の大きさに対して、ご要望が多いとき、
限られた敷地の中で、豊かなプランを提案したいとき、
私たちはよく、多機能な部屋(空間)を提案します。
いくつかの空間を合体し、多機能にすることによって、
空間全体のつながりが感じられる、広々とした空間とするのです。
そうすることによってどんな魅力が生まれるのかというと、
●見えてくる要素が多くなるので、見せ場の演出がしやすい。
●建物全体をイメージしやすいため、空間としての演出がしやすい。
一般的な用途「○○LDK」にとらわれると、空間が分節化されてしまい、
部屋の連続になってしまい、「見せ場」を作りづらかったりします。
多機能な空間とは、大きく分けて2つの種類があります。
●一つの空間が、いくつかの機能を持つ場合。いわゆる「茶の間」的使い方。
●それぞれの機能を持つ小さな空間が、大きな空間の中で緩やかにつながる場合。
の2つです。
前置きが長くなりましたが・・・。
今日は、「茶の間」的使い方について考察したいわけなのです。
皆さんにも、一つ考えてみて頂きたい。
土地が限られた日本で、茶の間が機能的なのは言うまでもない。
食卓になり、居間になり、場合によっては寝室にもなる。
来客みんなで雑魚寝もできる。
茶の間が茶の間として使えるのは「畳の間」、
あるいは、畳の延長にある「板の間」だろうか。
とすれば、テイストは和の空間に限定されるだろうか?
いや、そうではない。
「板の間」= 無垢のフローリングであり、
和洋問わずマッチするはずなのだ。
視線の高さが違うだけだと私は思う。
皆さんは「豊かな生活」=「ベッドのある生活」と考えていないだろうか。
なぜか日本人は、日本にいながら、床に寝る生活から脱却したいのである。
面白い現象である。
(かく言う私もその気は有るが、臨機応変に考えたい。)
ベッド生活と決めてしまうと、
まず、ベッドルームは、ベッドルームにしか使えない。
リビングには、ベッドを置かないので、ゲストスペース兼用にならない。
従ってゲストコーナーあるいはゲストルームが必ず必要になる。
ソファーとダイニングチェアは兼用しないので、
ダイニングとリビングも個別に必要。
・・と、とたんに、全ての部屋が一つ一つ必要になってくる。
勿論それが可能ならそれに越したことは無い。
それは有る意味豊かだけれど、建物がコンパクトな場合は少し勝手が違う。
全体に対して、空間の稼働率が低くなるのだ。それって豊かなのかな?
もっとオープンにして、豊かな時間のためにスペースを使いたいと思うのです。
稼働率の高いスペースの割合を多くする方が、
豊かともいえるのではないでしょうか。
例えば、ベッド生活への拘りを捨てると、いろんな可能性が出てくるわけなのです。
かといって、全部畳にして、床に寝て、床に座ろう、というのでもありません。
茶の間的使い方を、様々なところで考えてみたら、
いろいろと可能性が広がってこないでしょうか、
その可能性の中で、「遊び」をご提案したいと思うのですが・・・。
さて皆様は、いかがでしょうか?
↑写真はちょっと可愛らしい建坪12坪の住宅例。
和でも洋でもアレンジできる感じです。
その他の例
■CHANOMA HOUSE 畳の茶の間の家
http://www.otsubo-archi.com/works/chanoma.html
●●● ←Click here please. Thank You !
▲このページのTOPへ戻る
____________________________________________________________________________________________________________________________
Kazuro Otsubo Architects 大坪和朗建築設計事務所
copyright(C) Kazuro Otsubo Architects All rights reserved.
| 固定リンク
「住まい・インテリア」カテゴリの記事
- ■ HP更新(2013.09.04)
- ■ 敷地視察 - 都市農園(2013.08.30)
- ■ T-HOUSE hino(2013.08.29)
- ■ 居場所(2013.08.02)
- ■岩手は盛岡へ(2013.07.11)
「■y. WORKS・PROJECTS」カテゴリの記事
- ■ ブログが 別の場所 に移転しました(2020.10.28)
- ■ 自然に「迫る」建築 - 計画編-(2020.10.28)
- ■ 自然に「迫る」建築(2020.10.26)
- ■ 北欧風カラーの外壁塗装(2020.10.04)
- ■ 中学生!からの取材(2020.09.12)
「■f. 温故知新」カテゴリの記事
- ■ ヤタイを追いかけてみた(2011.12.07)
- ■ 「茶の間」的発想のすすめ(2010.05.19)
- ■ 端正な醤油工場(2008.10.05)
- ■ 味のある壁(2008.07.20)
- ■ 鉄板の壁(2008.07.13)
コメント