■ ヨーロッパに学ぶ心地よさを、まとめてみる
とある提案を機会に
今までヨーロッパで見て、好んでさまよってきた、
街中や住居の心地よさをまとめてみることに。
改めて思い返してみると、
それぞれの空間は閉鎖性を持っていながら、
全体としては、開かれているイメージを持っているということである。
そこに、ポイントがあるような気がしている。
石造りなので、設けられる開口部は決して大きくない。
壁も多い。でもなぜオープンなイメージなのだろうか。
それは、それぞれの閉鎖的空間に
中庭空間や回廊空間を併設し、リンクさせているからだろう。
閉鎖した空間と、開かれた空間。
薄暗い空間と、明るい空間の陰影・対比。
それらの連続によって、オープンなイメージに結びついているのだと
改めて思う。
(実は日本の古い建物も同じような要素をもっている)
また「複雑性」も、
居心地の良さに関わる重要な要素だと思うのだが、
そんなに複雑だったかな~と思い返してみると、
それほどではないと思われるのだ。
(現代の建築のほうがどちらかと言うと複雑であると思う)
ではなぜ、複雑な印象になっているのか。
これは推測だが、
複雑なのは、それぞれの建物の内部空間ではなく、
その外側の、街や道路が入り組んでいるため、
全体として複雑な印象になっているのではないだろうか。
街についても、閉鎖的な路地空間と
オープンな広場の連続で出来ている。
荒っぽく要約すると、これらの空間の成因は
「防御」と「石造り」にあると考えられるのだが、
その条件の中で人間が豊かに心地よく生活する知恵が詰まっているのである。
「やっぱりヨーロッパはい~な~」と思う空間とはつまり、
そういうことなのだと思われるが、
ここは、大陸からも離れた、
平和(ちょっと前までは・・・ね)で、木材が豊富な日本。
「防御」と「石造り」から生まれた空間をそのまま作るのでは、
その空間の成り立ちからして異なるので、考えさせられる。
私達が見習い、活かすべきは、
そのエッセンスなのである。
さあ、どんな空間に実を結ぶのか、
ちょっと楽しみである。
※冒頭のCGは、エントランスアプローチから
中庭が垣間見えている様子。
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