■ 奈良吉野へ(2)
奈良吉野へ訪れた際、最後にご案内いただいた金峯山寺の蔵王堂に
とても感動したのでご紹介します。
個人的には、私が今まで京都や奈良で見たお寺の中では、
一番感動したかもしれないのでした。
こんなお寺が有ったのかー!!と言う、驚きでした。
中の様子をお見せできないのが残念なのですが、
柱はがっちりと太く、物によってはねじれ、こぶのある巨木が
薄暗い室内にねじり上がっている印象。
とにかく生命力が強い木を選んで建造したという感じでありました。
薄暗い中に浮かび上がる黒々と骨太な祭壇には凄みがあり、
扉や柱には色彩も多く使われていながら、全体として落ち着いている絶妙な配色。
アジアやインドを感じさせながらも、日本の絵画なのです。
蓮池の上に広がる浄土を表現したような絵でした。
ああ・・・ここなら逝ける・・・(微笑)。という
雄大かつ繊細な内部空間。
ここで私なりに気づけたことは、
歴史の中に出てくる文化や建築は、
一つの様式で言い表せる典型的なものが多いのかも知れないということです。
歴史の中では目立たない(明確に表現できない)が、
多様な思想や様式が合わさった、言いようもないエネルギーを放つ建築や文化がまだまだあるのかもしれないということでした。
こんな建築が見れただけでも、行く価値があった。
そんな思いにさせられる建物でした。
また、もう一つ珍しいなと思ったのが、
この町は、山の尾根づたいに広がっているところです。(最初の写真)
この感じは、ヨーロッパの山岳都市によく見られる形式なのです。
本当に、いろんな文化が混ざり合わさっているのですね、きっと。
単一な様式による簡素で力強い構成も勿論良いのですが、
このように、多様な文化の混在から放たれる摩訶不思議な力強さは、
魂を揺さぶる力をもっていると思いました。
とても人間味があるというか、人間に近い存在かもしれません。
オススメです。
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