これまで、特に意識せずにヨーロッパの写真をピックアップしてきましたが、
この辺で、日本の和の写真もピックアップしていこうと思います。
先日、ある方と食事をした際、
「何が好きですか? 洋風な物が好きなようですよね。
和も好きそうですが、やはり洋ですよね。」
と問いかけられ、「何でも好きですよ」と答えたものの、
イタリアンに行くこととなったのがキッカケである。
(イタリアンはもちろん大好きである)
ブログの内容から、そう言う印象を与えるのだなあ、
と思ったのです。
確かに、ヨーロッパは好きである。間違い無い。
しかし、日本に比べて、断然欧米が好きというと、そうとも限らない。
和ももちろん大好きである。
日本の事について語ることが容易でないのは、
日本の文化が「深い」からだと思う。
簡単に短い文章で伝えることが、難しいからだ。
決して欧米の物が「浅い」わけでは決してないが、
欧米の物はインパクトが有って、
比較的分かりやすい(印象がある)ことは確かではないだろうか。
学生時代、最初のヨーロッパ旅行から帰ってきて、
日本の文化と欧米の文化の違いを、しきりに勉強した。
そして、それらの違いは、
結局のところ、気候や風土の違いから来ていると言うことを私なりに理解した。
それぞれの文化は、思想や宗教から大きな影響を受けており、
元となる思想や宗教は、気候や風土から影響を受けている。
ということだ。
或る本にこのようなことが書かれていた。
「日本は森の文化で、欧米は砂漠の文化」ということである。
いくぶん極端な対比だが、私はこの考え方に共感した。
隊列を乱し、群れから離れることがすなわち、死を表す砂漠(的な気候)では、強力な統率力、強力な心の支えつまり思想・宗教が必要。だから一神教が発達した。
水が豊富で、森や木々や水に囲まれ、四季折々の変化がある植生豊かな気候では、それぞれに神が宿ると信じられ、多神教が発達する。
ということである。
確かに欧米は植生が日本ほど豊ではなく、岩砂漠に近い風景が多く見られる。
そして、それらの違いが、建築などの空間構成、建築の持つ象徴性にまで影響を及ぼしていると考えられる。
その他に、外的からの侵略を防ぐ必要がある大陸の建築文化と、
島国で、かつ人種が限られているおかげでその危険性の少ない日本での建築文化とは、その点でも異なると考えられる。
植生の豊でない気候では、岩で家を造ったほうが合理的なので石造建築となり、
植生の豊かな日本では、木で家を造った方が合理的なので木造建築が中心である。
書き出せば多岐に渡るのでので、今回はこの辺にしておきましょう。
それぞれの、文化・気候風土には、それぞれ合う建築がある。
そして、それらは時代によって、地域によっても変化してくる。
都市と郊外と田舎でも違ってくる。
そしてもちろん、依頼者が何を求めるかによっても異なる。
それぞれに適切な解を見つけ出すのが私達の仕事である。
■ 写真は京都の北の方のお寺
庭の竹林が、パノラミックに広がる様はまるで屏風のようだ。
そこで茶を飲む自らの姿も、屏風絵の中の物語の一部になっているのだろう。
日が傾くにつれ、畳の質感が浮き彫りになっていく。
時と共に移ろう陰影が、より時間を感じさせる。
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